こんにちは、こんばんは。
どどりです。
2025年はもう12月になっていて、
まさに年末になってきました。
しかし、今年のブログ記事っていうのはあまりにも筆が遅く、3つしか書いてません。
これはまずいと思ったのもありますが、
前々から、
書こう書こう書こう書こう書こう書こう書こう
書こう書こう書こう書こう書こう書こう書こう
と思っていた記事を、
やっとこさ書く機会が来ましたので、
書きます。
はい、始めます。
文藝天国さんの「μεταμορπηοςε」を書きます。
「μεταμορπηοςε」は、
「初恋」のリリースからかなり時間が空いた印象があって、
ひさしぶりの楽曲でしたが、
これまたダークな雰囲気のする曲調、
そして映像でしたので、
考察センサーが反応してました。
しかし、
最近ちまたで見かける、
「考察はしなくても、楽曲をそもそも楽しもうぜムーブ」
というものがなんだか心にあったので、
ちょっとスタートダッシュを控えてました。
「次に出るアルバムまで待っておこうかな」
と思ってました。
しかし、
文藝天国のサブYOUTUBE、
「文藝天国の裏庭」での動画がアップされました。
これは、つまり、
「この内容を出すから、考察してこい」
というメッセージだと勝手に捉えました。
なので、頑張って考察してみます。
こちらがMFです。
文藝天国のMFについては
画質を変えること
が大切です。
なんと、YOUTUBEの進歩もあり、
この動画は4Kで、
2160pまで画質を良くできるようです。
1080pでも綺麗だったのに、
その2倍はエグイですね。
どんどんいきましょう。
「μεταμορπηοςε」の歌詞は、
破壊的価値創造のEP「forced landing」に出てくる楽曲のワードだったり、
「制服」というワードが出来てきて過去曲を思いだしたり、
それがどんな意味があるか今のところはわかりませんが、
つながるものがありそう、と思いました。
また、歌詞にはAL「破壊的価値創造」からのつながりも感じられ、
「フィルムカメラ」で、ふたりのお別れは映像であったと思いますが、
そこを「破壊的価値創造」という楽曲を経由し、
この「μεταμορπηοςε」に来たとも考えることができそうな。
なお、前にリリースされた「初恋(うぶこい)」は
人間とかを超越している感じはしましたので、ちょっと違うかもです。
そして、今回は音質・音響面についてかなりこだわっている、とネットであった記事を読んで書いてありましたが、
そもそも楽曲の出だしから、
鳴っている音がうにょうにょし始めており、
その音色によりこの楽曲にダークの印象と、
なにか不思議な、言葉にしづらい印象というかイメージを与えているように思いました。
それにしてもクリーンな歪みは、やっぱり鋭く聴こえ、かっこいいです。
特に音響面というのは、イヤホン・ヘッドホンでも感じることはできますが、
ライブハウスやホールなどの音響空間での聴く、空気振動や、地鳴りに近い振動を味わえてこそ、
本当に楽しめるかなと思っています。
なので、2025年8月にあった、
PARFUM de bungeiの香水販売の際に、
その空間で音楽を流していたのは、
ライブハウスではなく、
香水販売の空間でこの音響を感じることができるようにできたのも考えられていたなあ、と。
MVについては、かなりダークな感じで、
女の子が倒れていて、連れていかれ、病院で注射をうたれ、
監獄に収監されるような映像になってます。
だから、最初観たときは、ちょっと肌寒さを感じましたが、
それが今回の楽曲の味なのかなと思ってました。
よくよくみると、ところどころに気になるニュアンスがありました。
病院で注射を打つ部分がかなり生々しく感じ、
昨今のことを考えると、
「これはあれを連想できるのでは」
と思えるな。
あれについては、
かなりあやしさを僕は強く持ってますが、
それの比喩の意味が込められているように思いました。
(公権力である警察に捕まえられて、病院に連れていかれて、
お注射を打って、収監されるのは・・・)
MFの流れについては、
この動画の一部がポイントです。
このMF最後の白地部分の文章で、
これはいつもko shinonomeが担当している文章となっていると聞いたことがあります。
この白文字で書いてある文章のうち、
「福音書」
がポイントかなと思ってます。
この「福音書」っていうものも調べてみましたが、
これもイエス・キリスト関係の書物として知られていて、
あくまでイエス・キリストが語ったことやれきしではなく、他の方が書いた書物です。
その書物の意味合いとしては、
イエス・キリストの「死」と「復活」を書いているらしいです。
(ご参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E9%9F%B3%E6%9B%B8)
ということを踏まえると、
この「μεταμορπηοςε」の映像の意味合いがとらえやすくなります。
この映像の流れとしては、
登場する女の子がかなり抵抗し、
収監されるなどしてます。
そこからある場所にゆき、
UFOに乗って地球の外にいくところで、
唐突にまた現実の収監されている場所に戻ってくる、
という映像になってます。
戻ってきた後、
女の子はなぜか落ち着いた様子になってます。
このUFOに乗って宇宙にいくというのはある意味比喩なものとして捉えると、
収監されている状態から死を迎え、
天国に行ったあと、
再び戻ってきた、
というような流れになります。
最期の暗い収監されている場所でも穏やかに微笑んでいる場面からすると、
実は何度も同じようにループをしているようにも思いました。
また、
このように変容したという点を表現しているものとして、
同時に発売されている香水(オードパルファン)からも意味を参考にします。
Eau de Parfum | PARFUM de bungei“metamorphose femme”
「青々しい草原に咲き誇る薔薇」をイメージし、
エレガントなローズを主軸に、
ハーブと金木犀の透明感を重ねた、
可憐さと芯の強さを併せ持つ香り。
さらに、“ラクトン”と呼ばれる、
若い女性特有の甘くミルキーな体臭の印象を意識し、
ほんのりとピーチやフィグのニュアンスを忍ばせた。
この“ラクトン”は、母性・守りたくなる魅力・無垢さ・
フェロモン的引力といった心理的な作用をもたらすとされ、
思春期の少女が持つ“変わりゆく存在”としての神秘を思わせる。
”metamorphose homme”
“femme”をベースにしながらも、
そこへ白檀(サンダルウッド)などのウッディノートを
加えることで、より落ち着いたトーンへ。
まるで“変身を遂げたその後”の静かな覚悟、
成熟したもうひとつの自我を感じさせる仕上がりとなった。
metamorphose homme は、
男性的な香りというよりも、
「静かに変容する存在」そのものの香りである。
このオードパルファンの説明であるように、
femme から homme
への変容を商品であり、作品としてリリースをしているという風に捉えられるんです。
こういうことを考えているアーティストさんは、
たぶんいません。
さて、天国に行った表現というのは、
文藝天国の過去MFを踏まえてみると、
「白い衣装」
で、かつ、
「ワンピース・ドレス」
が出てくることで、象徴表現として使われているように僕は思ってます。
直近だと、
白い部屋で一時を過ごしている「ゴールデン・ドロップ」、
ループ空間で何度も森に訪れる「緑地化計画」、
そして、白い部屋で、扉とキャンパスに向かう「シュノーケル」、
そして、あの「フィルムカメラ」。
といったように、
この白い衣装が出てくる場面は、
天国の表現をされていると考えることができます。
それで、
この「μεταμορπηοςε」では、
この草原に寝転がっている自分を描いた油絵を、
自分が見ているところが最初の場面にあります。
この場所自体が、
「死」のあと「復活」までの間に訪れる文藝天国特有の場所
として表現されているように思ってます。
しかし、MF映像において、
この場面が最初にきているとはいえ、
時系列を意図的に切り取って映像を作成する手法
がよく使われているように思いますので、
この場面が、
「UFOに乗ったあと、この部屋にきて、そのあともう一度収監された場所に」
とは一概にならないとは思います。
しかし、
この場面のあと、
この絵画をみて泣き崩れているところをみると、
最初の「1周目」であるかなと。
もちろん、白い衣装を現実でも着ていて、
教会での結婚式の映像、
警察に連れていかれる映像、
そういったものは天国ではないと考えられます。
これも解釈によってさまざまできますね。
この「μεταμορπηοςε」の特設サイトについて書いてみます。
サイトを見ると、
五感に沿って作られたアートの取り組みが載ってます。
(5感についての文藝天国の取り組みは過去の記事で書いたのでそちらを参考にしてみてください。)
そこで、ページをスクロールしていくと、
このような部分に到達します。

この部分です。
よく見てみると、
ページを開いてから少ししたら中央のところに、
小さな字が出てくるようになります。
書いてある字は、
τὸ α καὶ τὸ ω
というものです。
これは、ヨハネの黙示録で出てくる表現であり、
「私はアルファであり、オメガである」
ということをあらわているようです。
各サイトを読んでみましたが、
アルファが最初の文字で、オメガが最後の文字、
そこを踏まえ、
神様というものが、人が生まれてから最後まで見守ってくれている、
という意味になるそうです。
そして、この文字がぴったり、
白い十字架のところにかかるようになってます。
これと同じような表現があったのは、
AL「破壊的価値創造」のティザー映像における、
スカイツリーに重ねた白文字表現です。
ですので、
これは意味があるものと考えたら楽しいかなと思います。
そう考えると、
上の「福音書」を取り上げたときにも書きましたが、
このMFで「死」と「復活」が描かれているというテーマがあるとすると、
この作品は、
「変身とは、誰かになることではなく、
幾度も自分に出会い直すこと」
というメッセージを宿し、
すべての人に眠る”女の子”たちが
作品を通じて自分を再発見する儀式のような作品である。
神様は、「生」から「死」を見守ってくれているが、
その後「死」をへて「復活」をするためには、
「自分に出会い直す」、「自分を再発見する」
ことが必要で、
そこは神様ではなく、自己の行動が必要になる、
ということと捉えることができます。
(もちろん、復活までも神様が見守ってくれているとも考えられますが)
何も恐れを抱かずに、
破壊的に行動をし、
五臓六腑が弾けるほどとの文章もありましたので、
それぐらいに自分の行動を、
と解釈できました。
(五臓六腑っていう言葉は不思議で、
五感だけでなく、
「心の奥底」という意味もあるようです。)
久しぶりに、1曲だけのレビュー記事を書いてみました。
文藝天国さんの楽曲は
「ふたごのたましい」
というシングルリリースもあったのですが、
まだ追いつけずで、自分の遅筆を呪っています。
そんなこんなで以上です。
長々と失礼しました。
お疲れ様でした。
どどり
音楽と考察の森 ”Groval of Global”