えっと朱夏とは?
朱夏朱夏とは、「夏」を表すとともに働き盛りの時代という意味もあるらしいです。ということは、男は働き盛りの時期には、空き巣ではなくすでにある音楽を研究して盗作をする仕事をしていたということですね。
また、この曲は根本にあの曲があります。エリック・サティの曲です。
有名ですね。
小説の中でもエリックサティの話がちょこっとあります。
はい、つぎのアルバム名にもなり、テーマともなっている「盗作」についてです。
それはメロディかもしれない。装飾音かもしれない。詩かもしれない。コード、リズムトラック、楽器の編成や音の嗜好なのかもしれない。また、何も盗んでいないのかもしれない。この音楽達からそれを見つけるのもいい。糾弾することも許される。 客観的な事実だけなら、現代の音楽作品は一つ残らず全てが盗作だ。意図的か非意図的かなど心持ちでしかない。メロディのパターンもコード進行も、とうの昔に出尽くしている。
それでも、作品の価値は他者からの評価に依存しない。盗んだ、盗んでないなどはただの情報でしかない。本当の価値はそこにない。ただ一聴して、一見して美しいと思った感覚だけが、君の人生にとっての、その作品の価値を決める。 「盗作品」が作品足り得ないなど、誰が決めたのだろう。 俺は泥棒である。
https://www.youtube.com/watch?v=CS4f3jawFxY
この楽曲についてすぐ言えることは、歌詞が物語の文章といえるということ。歌詞自体に「。」を使っていること、口語として鍵括弧(「」)を使っていることからもその感じは見受けられる。
この曲の歌詞は、男が小説の中で話している内容がそのまま素直に出ているので、象徴的な意味合いがあるなあと思う。足りない、足りない、と男が感じている飢餓感というものが楽曲に乗せられてる。この楽曲の時といえるだろうか、目的の目の前といえるところで、高揚しているような気分が歌詞に入っていると僕は思います。
これもカッコいい曲ですね。
さて、念のため意味を確認したところ、僕、この「思想犯」っていう意味を取り違えていましたよ。
思想犯(シソウハン)とは – コトバンク意味を取り違えるって焦るなあと。
— どどり@音楽ブロガー (@eMmq709ZuLaOvEf) July 29, 2020
「思想犯」ってなんとなく思想が悪いという意味で捕えていたけれど、辞書的な意味を確認してみたら、重要な意味合いがあるんだなあと知りました。
あれ、どうも「国家体制に相反する思想に基づく犯罪」の意味らしい。
完璧な曲名ですよ。感動。
なんで大げさに言っているかといいますと、この「国家体制」的な大きな意味合いでの犯罪というところがポイントで、それにぴったりとあうような曲名を持って来てたのが凄いなあと感動しました。おもいつきますか、普通。
そして、YOUTUBEの方の注釈もチェックしましょう。
思想犯というテーマは、ジョージ・オーウェルの小説「1984」からの盗用である。そして盗用であると公言したこの瞬間、盗用はオマージュに姿を変える。盗用とオマージュの境界線は曖昧に在るようで、実は何処にも存在しない。逆もまた然りである。オマージュは全て盗用になり得る危うさを持つ。 この楽曲の詩は尾崎放哉の俳句と、その晩年をオマージュしている。 それは、きっと盗用とも言える。
https://www.youtube.com/watch?v=ENcnYh79dUY
盗用もオマージュも、言葉があるだけで、実際の意味合いとしては同じであるということ。この小説全体を読んで、作品のオリジナリティ、模造品、盗用、オマージュといったことが一体何のためにあるのだろうか、区別が意味を持つのかっていうことを考えるようになりました。明確な違いがあるとはいえるのか、本質はみんな他のものの真似ではないかと。
うーん、なんだか難しい内容だなあと。
そして、この「思想犯」では男が熱望していたことが叶ったあとのことを表現していると考えられます。特にMVが分かりやすく表現されているなあと思います。
1曲目「音楽泥棒の自白」から流れてきた物語の一旦の終わりの曲だと思います。
小説では男と少年の最後の別れで終わってますが、それだけではこの「逃亡」という楽曲がある意味が説明できなかったんです、ぼくは。
楽曲自体は、ジャズっぽくて静かなものに思えました。また、歌詞に「夜祭り」という言葉があったので、過去回想の方の曲かもしれないと思ってましたが、ちょっと違うなと思いました。
まずその理由として、
ヨルシカのAL「盗作」なんですけど、アルバムの最初から10曲目までは、曲名が何かしら犯罪の意味合いを含んでいるっぽいなあ。
— どどり@音楽ブロガー (@eMmq709ZuLaOvEf) July 29, 2020
こうツイートしてますが、「逃亡」って犯罪の意味合いを含んでるなあと気づきました。そのため、「思想犯」で終わりではなく、この「逃亡」で終わりとなるかなあと。
つぎに、男は「思想犯」で表現されたことをやり遂げたあと、もうやることがなくなっているのは分かるけど、その後にどうなったのかなと考えていたところ、この「逃亡」で表現されている情景と男の行動を表しているのがまさに「逃亡」の歌詞。つまり、小説の後に続く物語がこの曲で補完されている。それだったらすんなり受け止めれるなあと。これまた勝手に僕が感じれたことですね。
ホント、主観です。あと、
「花に亡霊」と「逃亡」がなんか似ている気がした。
— どどり@音楽ブロガー (@eMmq709ZuLaOvEf) July 31, 2020
オマージュ?
はい、ここからは最終エンディングに向かっているところの始まりです。男の幼年期については、小説の途中で書かれていましたが、妻との出会いのところがまさに幼年期として書かれているところと捉えてます。
しずかなピアノの曲です。歌は無しです。
夜行のMVですね。
僕、アルバムのネタバレになりそうで今までこのMVは一切、観てませんでした。そして、今回アルバムと小説を全部聞いて、読み終わったということで、満を持して観てみました。
もう納得ですよね。
実は、ちょっと前にこんなブログ記事を書きました。
ヨルシカ『花に亡霊』についてこれはヨルシカの「花に亡霊」についての題名で記事を書きましたが、同じ映画の主題歌でのこの「夜行」にもいえることです。偏見のあった僕ですが、やっぱりヨルシカのアルバムの楽曲は、一貫したストーリーの中での楽曲であってほしい、というのがあって、”映画のために作られた”ということだったならば、違和感というか、魚の骨が喉に刺さったような違和感があるように思えて仕方がなかったんですね。それで思ってたことをつらつら記事にしてました。2020年の6月に書きなぐった記事でした。
でも、これではっきりしました。この「夜行」、そして「花に亡霊」は映画の主題歌に抜擢された曲ですが、映画のための曲ではないですね。この「盗作」というアルバムのための楽曲でした。
このMVの映像もです。なんで、女の子の方が背が高いのか、男の子の方が若いのか、そういうものも全て根底に「盗作」で描かれたストーリーがいるんですね。すべてそれに沿って作られていたんですね。なんだか、「よかったなあ」という安堵の気持ちです。僕は。
二人で歩いていくところは、男の気持ちを表現しての過去回想だとぐっときますね。
追加:補足ですが、『盗作』のインタビューでもこの2曲のことについて話があったみたいです。ご参考に。
https://sp.universal-music.co.jp/yorushika/tousaku/
最後の締めの楽曲。エンディングです。「花に亡霊」。
MVは映画の映像で作られていますが、この「花に亡霊」は、小説の内容とか、過去回想のすべてをひっくるめて、包んでいるような感じがして、なんだか説明しづらいなあと思います。もうちょっとしっかりとした内容をかければいいんですけど、書けないなあと。曲がデカいんですよ、はい。
前に書いた記事を置いておきます。
長々とまとめてみました。
ああ、もう日は越してしまいました。
やっぱりじっくりと読んで、楽曲を聴いて、キーボードを叩いていると時間なんてあっという間に立ってしまいます。それもいいことなんですけどね。
また内容の修正をしようと思いますが、別の記事でもうちょっと書きたいことがありますんで、もうちょっとこの「盗作」を楽しみたいですね。
ほら、ウサギのガラス細工とか、妻の生まれ変わりの思想とか、まだまとめんといけないことがあるんです。
それでは。
どどり
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【NEW】ヨルシカHPでインタビューの前編と後編が公開されました。
そちらをお口直しにご確認をしてください。
いろいろ書いてきた僕の記事と違うところもありますが、このブログ記事は変えません。
その方が書いたときの衝動が残って面白いと思いますので!
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あと補足のレビュー、書きました。こちらもどうぞ。
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2020年8月1日 14:15 1回目加筆修正
2020年8月3日 23:07 2回目加筆修正
2020年8月5日 20:43 3回目加筆修正
2020年8月12日 9:26 4回目加筆修正+デザイン変更
2021年3月22日 1:25 5回目動画貼り付け